空中都市の攻防

 ようやく揺れが治まった。まだ床に膝をついたまま顔をあげると、例の半球体の上に小柄な少年の背中が見えた。
 シャリは床に這いつくばったレインたちに見向きもせずに、自身の後方の空間に映し出された映像を食い入るように見つめている。観劇でもしているように、心底楽しそうな様子でマーブル模様の球体の上でぴょんぴょんと跳ねた。
「見て、見て!」
 幼子の黄色い声に促されて、レインは目を見張った。そこに映し出されていたのは、先ほどまでの四人の巫女の様子ではなかった。
 雲一つない青空に、ぽつんと黒い点が浮かんでいる。はじめ、レインにはそれが甲虫のように見えた。視界を遮る、邪魔な虫かと。だが突如として映像が乱れ、エステルの水晶を覗き込んたときのように虹の輪を描いた。と、思うと先程の黒点が瞬く間に大きくなり、その全景を映し出したではないか。
 その黒点の正体が明らかになって、レインは愕然とした。
 町だ。町が一つ浮いているのだ。澄み切った青い空に浮かび上がったラドラスの町は、黄色い砂の大地の上を悠然と浮遊している。その映像から、この都市が空中で停止しているのか、それとも動いているのかはわからない。だが、下に広がる砂漠の様子からして、相当に高度は高い。
 エステルがかつて説明してくれたように、ラドラスの町は半球状をしていた。上の平らな部分に、石筍のような小さな――実際には大きいだろうが――尖塔が立ち並んでいる。砂漠の民たちが普段寝起きしている場所も、あそこのどこかにあるのだろう。普段、蜃気楼に隠されたラドラスは見ることができないため、ここまで大きなものだとはレインたちも知らなかった。
 他方、球状をしている下部分には、緑色に発光する溝のような筋がいくつも浮かんでおり、その周囲をぐるりと爪のついた円盤が囲っている。この円盤はよく見ると、反時計回りにゆっくりと回転していた。
 半球体の最下部には、針のような棘のようなものが伸びている。
「う、浮いてる……?」
 レインのすぐ傍でナッジが呆然と呟いた。その場にいる誰しもが、呆気にとられていた。町が空に浮くだなんて、想像の範疇を超えている。一同そろって、ぽかんと口を開けてその光景に見入っている。
 シャリがくるりと体をこちらに向けた。
「ラドラスはね、飛ぶだけじゃないんだよ。これはね、兵器だったんだ。古代の魔法兵器」
 落としてみようか、雷を――興奮した様子のシャリが腕を大きく振り上げた。それに合わせるように、映像の中のラドラスの球状部分にさっと緑色の光が一斉に走った。上から下へ、溝を走った緑色の光が、一番下の針の周りに集まって強く光っている。それが、ゆっくりと針を伝って雨露が滴るように落ちた。
 瞬間、何が起こったのか。ラドラスから落とされた光の弾は、砂漠の砂を巻き上げながら地中深くに潜り込んでいった。ラドラスには音も衝撃も届かなかったが、映し出された映像を見る限りとんでもない威力を持った魔法である。
 辺りにはまだ巻き上げられた砂がもうもうと立ち込めていた。ようやく、風にそれらが流されて晴れて見えた光景に絶句する。黄色い大地はえぐり取られて大穴が空いており、湿気を含まない砂漠のサラサラとした砂が大瀑布のように穴に流れ込んでいる。
「うわぁ、すごい、すっごーい!」
 呆然としているレインたちをよそに、シャリはキャッキャと飛び跳ねた。そうしている姿は新しいおもちゃを手に入れた子供のようだ。だが、実際に彼が手に入れたものは子供のおもちゃにはすぎる代物だ。
 そのときだ。どこか遠くから暴風が吹き荒れる音のような、地鳴りのような、空気を震わせる低い音が辺り一帯に響き渡った。
 わぁっ、とシャリがそれに驚いて、半球体の上から転げ落ちる。それと同時に、空間に浮かび上がっていた映像がパッと消えた。
 今度は何だ?――立て続けに巻き起こる異常事態に、レインは思わず天を仰いだ。残響が、高い天井にわだかまっている。
「あーあ、竜王にばれちゃった。どうしよっかなぁ」
 半球体の後ろに転げ落ちたシャリが、おーいてて、とわざとらしく尻をさすりながら起き上がる。
「どういうことじゃ」
 詰問するようなアンギルダンの言葉に、シャリはにやにや笑って、またくるりと回った。
「言ったでしょー? これは兵器なの。それこそ、世界を手中に収めることができるくらいのね。あの均衡バカの竜王のことだもん。僕らごとラドラスを落とす気だろうね」
 レインはよく知らないが、竜王はこの世に唯一残った肉を持った神だと言われている。思わぬところで、とんでもない大物が出てきた。
 ぎくりと顔を強張らせたレインは、しかし、ふと気づいて顔面を青くした。
「待て、巫女たちはどうなる」
 レインはアンギルダンと顔を見合わせた。あの豪胆な老人が、顔面蒼白になっている。
 さぁ、どうなるだろうねー、とシャリは笑った。その甲高い笑い声が、高い天井に跳ね返ってわんわん言っている。
「行くぞ。動力室だ」
 シャリを睨みながら、レインは槍を構えて後退した。靴底が砂利とこすれて、耳障りな音を立てた。
 竜王が動き出したことを考えると時間をかけてはいられない。シャリは巫女の魔道力でラドラスを浮かせる、と言った。きっと、動力の間に彼女たちがいるに違いない。竜王の翼がラドラスに追いつく前に、四人を助け出し、砂漠の民と脱出せねばなるまい。とにかく、時間がない。
 シャリがニヤニヤしながら、右手を大きく振った。何かがレイン目掛けて飛来してくる。槍で叩き落すと、直刃の大剣であった。砂埃の溜まる石床に転がったそれが、カタカタと音を立てて震えている。
 シャリがさっと腕を振ると、糸でも付いているかのように、その大剣が宙に浮いた。
「そんなに急がなくても。せっかくこんなところまで来てくれたんだし、ちょっと遊んでいってよ」
 焦れたように歯噛みするレインを尻目に、シャリは相変わらずニヤニヤ笑っている。
「レイン!」
「相手にするな。救出が最優先だ」
 レインは後退しながら、ひとりでに襲ってくる直刃の大剣をいなす。彼女の頭上で振りかぶるように直立した大剣を、アンギルダンの戦斧が弾き飛ばした。大剣が乾いた音を立てて、石床の上を滑る。
「走れ」
 アンギルダンの怒号に押されるようにして、レインたちは制御室の出口に殺到した。
 そこから飛び出したレインたちの背後で、愉快そうな、狂ったような、シャリの甲高い哄笑がこだましていた。

 
 動力の間へ行くには、一度、九柱の間に戻り、そこから別の石柱で移動せねばならなかった。広い町の中を普通に走るよりははるかに楽だとわかっているが、今はそれすらもどかしくてしかたない。
 動力の間へ通じる通路は、空中回廊のようになっている。おそらく、ラドラスの下部の半球状になった部分の中央あたりにあるのだろうが、高い回廊の端から下を覗くと、クモの巣のように複雑に絡まりあった回廊がどこまでも折り重なるように続いている。その向こうには深い暗闇が広がっていた。底が見えない。
 以前に、一度だけエステルの案内でちらりと遠目に動力室を見せてもらったことがあるが、道を覚えているものはいなかった。動力の間へ続く回廊は、迷路のように複雑な作りをしていたからだ。さすがのナッジもさっぱりである。
 複雑に入り組んだ回廊を、一つひとつ確かめながら先へと下った。下るにしても一筋縄ではいかない。空中回廊が崩れて途切れていたり、すぐ傍の通路に下りるためにいくつもの階段を上がったり下りたりしなければならなかったからだ。その内、全員の口数が減ってくる。最終的には誰も――ヴァンすら――口を開かなくなった。
 一つ幸いであったのは、回廊の道幅は広く、充分に余裕を持って走り回れることであった。
「どけぇぃ!」
 アンギルダンの戦斧が唸りをあげて、振り下ろされた。鉄兜を被ったマジックゴーレムの頭を跳ね飛ばす。それと同時に鉱石を固めたようなゴーレムの体が、地下に広がる暗闇に落ちていった。
 以前、レインたちがエステルにラドラスを案内してもらったときにも、マジックゴーレムたちはこの辺りをうろついていた。エステルの話によれば、彼らはラドラスの修理人であり、今のように襲ってくるようなことはないはずである。おそらく、あのシャリが、制御室で操ったに違いない。
 マジックゴーレムは巨漢のアンギルダンよりも、さらに頭一つ分大きかった。刃を通さない硬い鎧を身に着け、巌のような拳を振り下ろしてくる。
 しかし、アンギルダンだって負けてはいない。娘を助けたい親心がそうさせるのか、振り回した戦斧は固いマジックゴーレムの鎧などものともしなかった。ゴーレムが振り下ろした拳を腕ごと切り払い、その胴を薙ぐ。完全に胴を絶つことは不可能だが、バランスを崩したゴーレムは仲間も巻き込んで回廊の下に落ちていった。
 アンギルダンを先頭にして、レインたちは動力の間へと突き進んだ。そのうち、周囲の様子が変わってきた。
 回廊の先に巨大な球体のようなものが見える。この空中迷路を貫くようにしてある大柱の一部が、丸く膨らんでいるのだ。柱の表面を這うケーブルが絡まっている様は、何かのさなぎか、繭のようにすら見える。どうやら、それが小部屋のようになっているらしい。
「イークレムン!」
 真っ先に小部屋の中に飛び込んだアンギルダンが、一番左端の台座にすえられた娘の姿を発見した。四人の巫女は目をつぶったまま、ピクリとも反応しない。
 小部屋は広く、中央に一本太い柱が立っているだけの殺風景な部屋だった。床や壁は白い石のような何かでできているが、石かといわれるとよくわからない。
 その柱の向こうの壁に、四人の巫女たちが固定されている台座があった。イークレムンの隣にフレア、エステル、と続き、一番右端にエアがいるようだった。
「どうやったら外れるの? 届かないよ」
 ナッジが言った。繭玉のような丸い台座は人の手が届く高さにはない。アンギルダンでも届かないだろう。
「壊すか」
 ヴァンが拳を構えるが、レインはそれを制した。
「待て、下手なことをしたら、ラドラスが落ちる」
「くそ……っ」
 アンギルダンが苦渋の顔を浮かべて、イークレムンを見上げた。
 何か方法があるはずだ、と言いかけたレインの後ろで、何かが動いた。敵かと振り返ると、大きな目と視線がかち合った。というより、それには目しかなかった。思わず動きが止まる。
 動力室の中心にある、大きな円柱。先ほどまでなかったはずの琥珀色の目が、その円柱の中ほどで見開いており、ぎょろぎょろと目玉を動かしている。
「何だ、こいつ」
 気持ち悪ぃ、とヴァンが顔をしかめた。それに反応したように、部屋中――いや外の回廊まで響くようなけたたましい警報音が鳴り出したではないか。
 ナッジが慌てて、非難めいた顔でヴァンを睨む。
「ヴァン!」
「俺かよ!」
 言い合う二人をよそに、警報は鳴り続ける。例の目玉はじっと四人を見下ろしていた。
「――警告します。警告します。動力部に侵入者を確認。許可IDのない者はただちに動力室から退室してください」
 女のような声だが、生身の人間が話しているにしては生気が感じられない。何より、目の前の目玉が発しているというよりは、頭の上から響いている。
 けたたましい警報音とともに、無機質な声は同じ文言をもう一度繰り返した。
「許可……?」
 聞き馴染みのない単語に、レインは首を傾げた。訝りながらも槍を構えるのは忘れない。
「――三十秒以内に退室しない場合、魔道王国法第二八五条により、強制退去を執行します。……二十五、二十六……」
 この部屋から立ち去れと言っているのは何となく理解できるが、ほかの事が一切わからない。ラドラスは時間はいまだ、魔道王国が健在だったころで止まっているようだ。
 ただ、どうやら危ない状況のようである。かといって、この部屋を出たからどうなるものでもない。
「私とアンギルダンが前に出る。ナッジは後方から魔法で援護。ヴァンはナッジを守れ」
 レインが指示を飛ばしている間に、カウントダウンが終わろうとしている。
「――……三、二、一。侵入者の強制退去を執行します」
 警報音が止まった。と同時に、目玉のついた柱からパラリとケーブルの一部が剥がれ落ちた。石のような金属のような、不思議な材質のそれは、鞭のようにしなってこちらに迫ってくる。
 目の前に肉薄する触手を切り払う。思ったより硬くない。床に落ちたそれは、生き物のようにわずかに痙攣して動かなくなった。
「くそっ、きりがない」
 いかに切れようが、数が数である。柱から飛び出ている触手は二本だが、それが先端に行くにつれて二本、四本、八本……と枝分かれして、それぞれが独立して襲い掛かってくるのだ。かと思えば、お互いに絡み合って、大蛇のようになってこちらを薙ぎ払おうとしてくる。
 床に飛び込むように身を伏せたレインの頭上を、触手の大蛇が空を切った。低い音を立てて通り過ぎた触手が巻き起こした風が、レインの墨色のくせ毛を揺らす。
 触手はそのまままっすぐヴァンとナッジの方へと向かっている。詠唱途中のナッジを、ヴァンが避難させようとしたときだ。触手の前に赤い鎧がさっと立ちはだかった。
 アンギルダンの戦斧が、触手の大蛇のあぎとをがっしりと受け止める。戦斧が断ち切った触手のいくつかが床に落ちた。
 この勢いの質量を止めるのか、と床に這いつくばったまま、老兵の膂力に驚いていると、
「レイン、目を狙え」
 鋭いアンギルダンの声に、レインは立ち上がった。その彼女を、例の目玉がぎょろりと追う。
 突然、目玉がきらりと光った。比喩ではなく下から上に、電流が走ったように実際に光ったのだ。かと思うと、そこからレインに向けて光線が放たれたではないか。すんでのところで身を避けたが、光線は相当威力があると見える。レインに当てそこなった光線は、床に焦げ臭い穴を穿った。
 光線の弾幕がレインを襲う。柱の周りを駆け回って、光線を避けるが、これでは攻撃の隙がない。柱から伸びる石の触手も、容赦なくレインを追ってくる。
 レインの眼前に触手が迫る。目玉の照準はいまだ、レインである。挟まれた、と思った瞬間――。
 バンッ、という何かが激しくぶつかった音がした。思わず身構えていたレインが、はっと顔を上げると、赤い鎧がレインと触手の間に立ちはだかっている。
「無事かー!?」
 かけられた声に目をやれば、ヴァンがこちらに何かを投げやったような格好をしている。何かの魔法の品を使って、目玉の光線を防いでくれたのかもしれない。
 ナッジの放った魔法が光の軌跡を描きながら、レインのほうへと向かってくる。魔法の力を帯びた風が、自分の周囲を取り囲んだのがわかる。スキップの魔法だ。
 体勢を立て直したレインは触手を切り払いながら、目玉へと肉薄した。目玉は相変わらず光線を打ち出してきたが、風をまとった体は羽のように軽い。いとも簡単に飛び来る光線を身をひねってかわすと、レインは軽くなった体で飛び上がった。人の頭上をはるかに越える高さまで。風が槍を導く。
 レインの槍の穂先が目玉を貫いた。ガラスが割れるような音がして、目玉が弾けとんだ。触手が動きを失くす。奇怪な彫像のような形のまま、アンギルダンやヴァンとやり合っていたままの姿で。
 レインはくるりと空中で一回転し、がちゃりと甲冑を鳴らしながら着地した。彼女の周囲を取り巻いていた魔法の風が霧散していく。
「助かったよ、ヴァン。何を投げたんだ?」
 一息ついて、仲間のところに歩み寄る。ヴァンにそう尋ねると、彼は胸を張った。
「マジックガードだ。あとで返せよ」
 ケチなやつだな、とレインは苦笑する。マジックガードとはその名の通り、魔法から身を守るための道具である。それほど珍しいものでもなく、街の道具屋で安く購入できる代物だ。
「イークレムン」
 そんな話をしている間に、アンギルダンが駆け出した。巫女たちのほうを見やると彼女たちがすえられていた、繭玉のような丸っこい台座が下りてきている。
「エステル」
 ヴァンが駆け出した。
「ナッジ、エアを頼む」
 ナッジにエアを託して、レインはフレアのほうへと向かった。

 
 アンギルダンは台座の中から、イークレムンの華奢な体を抱え上げた。普段振り回している戦斧よりはるかに軽い。これの母親に似て、まるで繊細なガラス細工のような娘だった。白波のような肌も波打つ金髪も、生き写しのようにルフェイに似ている。
 アンギルダンは腕の中の娘が壊れてしまわないように、そっと優しく彼女の体を揺さぶった。
「イークレムン、イークレムン。しっかりするのじゃ」
 父のたくましい腕の中で、イークレムンはゆっくりと震えるまぶたを開いた。母親によく似た、揺れる水面のような青い瞳がアンギルダンの顔を映し出す。
「あ……アンギルダン、様……」
 イークレムンはどこかぼんやりとした様子で、アンギルダンのとび色の瞳を見上げてきた。
 アンギルダンが、いかにも心配そうな顔で、大丈夫か、と尋ねると、イークレムンは可愛らしい薄桃色の唇を持ち上げて微笑んだ。その微笑みが、いつかの女の姿と重なった。
「ええ、大丈夫です。きっと、助けに来てくださると、信じておりました」
 言うと、イークレムンはアンギルダンの腕から下りて、しっかりと彼の前に立った。見れば見るほど、ルフェイに似ている。アンギルダンがルフェイに会ったときは、もう三十路を超えていたが、きっと娘時代にはこのような愛らしい顔立ちをしていたに違いなかった。
 アンギルダンは懐から、彼女の母親に送った耳飾りを取り出すと、それを手の平に載せて娘に差し出した。
「お主には、いろいろと話さねばならんことがあるのぉ。――このイヤリングを、女に渡すのは、これで二度目じゃ。受け取ってもらえるかの?」
 イークレムンの青い瞳が涙に揺れた。すぐさま目の縁に涙のしずくが盛り上がって、長いまつげを濡らす。涙はついにこぼれ落ちて、彼女の滑らかな白い頬を濡らすのだった。
「金髪の女性と、赤い鎧の男性が、湖の上で微笑みあっている夢を、子供のころから、よく見ておりました。きっと、父と母だろうと……――ミズチが教えてくれたのです」
 イークレムンはアンギルダンが差し出した耳飾りごと、父の大きな手を握り締めた。嗚咽を漏らしながら、イークレムンははっきりと言った。
「お会いしとうございました。お父様……っ」
 アンギルダンは丸っこいとび色の目をしばたかせて、イークレムンを引き寄せる。娘の華奢な体をしっかりと、自分の大きな体躯で包み込んだ。
「ありがとう、イークレムン。生きていてくれて、ありがとう……っ」

 


◇ひとこと◇
 ちょっと短いけど、キリがいいので。
 『マヒの視線』ってマジックガードで防げるっけ?

 

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