短編 驟雨 解説

 セ○ム、してますか?
 残念、それはア○ソッ○だ!

  
◇ネメアさんじゅっさい
 小さいネメアさんの話です。小さいころの想像がつかない人の筆頭だと思いますが、だいたいこんな感じ。
 でも、本当はもっとおとなしい子でもいいと思います。基本的に屋敷の周辺で、妹と一緒に遊んでるような子。
 ただ、今回はバルザーとの話だったので森に出ないとどうにもできなかった、というのもありまして、こういう子になりました。あと、若干レインに寄せて書いています。

 それから、一応、森の外の世界も知っておかないと、バロルの悪政をどうにかしようとか、闇から世界を救おうとか、そういう発想に至らないと思ったので、遊牧民の子供たちと遊ばせています。
 バロルも遊牧民と育ったようですね。

◇遊牧民たち
 一番年上のガキ大将の彼は、一応「ジョン」という名前があります。彼とネメアさんの話も考えているのですが、ジョンという名前ありオリジナルキャラを出さなくてはいけないので、書くかどうかを悩み中です。

 ネメアと彼らがお互いの名前を知らない、というのは、こういう名前ありのオリジナルキャラになってしまうのを回避するためです。一緒に遊んでいるのに名前を知らないという状況は、ちょっと不自然なようですが、まぁ子供だから。

◇子ライオンの試練
 小さいネメアさんが痛めつけられているシーンを書くのが辛かったです。やっぱり子供が痛めつけられているのはちょっと……。

 まぁ、何です。ネメアさんみたいな人は子供のころから何もしなくても強いと思われがちですが、私はそういうのはあんまり好きじゃないので、どんなに強い人でも子供のころは相応に弱いです。
 畑仕事をして体を鍛えたり、勉強をしたり、きちんとやったから強くなれた、ってほうが夢がありません?

 というわけで、トラはもとから強いですが、獅子は千尋の谷に突き落とされてから強くなります。なぁに、あと4、5年もすれば雑兵程度片手で千切っては投げ、千切っては投げ、できるようになりますよ。

 そうそう、兵士が金髪が2万とか言ってるのは、バロルが殺し損ねたネメアを殺すために金髪の男の子に懸賞金をかけている、という私が増やした邪眼帝の悪行のせいです。
 私の話では1ギア=50円なので、金髪の男の子を殺して連れていけば100万円もらえるってことになります。命が、命が安い……っ!
 この世界観で戦争中だとインフレになるだろうし、怖い連中相手に武功を立てるより、無抵抗の子供を殺して金を得ようと考えるクズもおるということで。クズはしょせんクズなのだぁ……。
 余談ですが、ネメアが痛めつけられているシーンで「あ、これ、貞操の方もやばい」とか考えた私は全身からゲロ以下の臭いがプンプンしています。

◇驟雨
 この話はエンサイのバルザーの項にあった、「ラストバトルでピンチになったネメアを助けに来る展開があった」という没シナリオを見たときに思い付いた話です。
 没案見たとき「バ、バルザァアアアアアア!」ってなりました。

 バルザーの迷宮でのネメアさんのセリフからして、彼はこのイベント以前にバルザーに会ったことがあるようですね。どういう状況で会ったのかなーとか、お互いのことどれくらい知ってんのかなーとか、想像すると楽しくて仕方ありません。
 きっと通り雨みたいに、すれ違っただけなんでしょうけど。

 ……っていう、ポエミィなタイトルです。

 ところで、バルザーには「(胸の中で)脈打つものがない」という描写をしましたが、バルザーは人間の女性と子孫を残せてるので、内部構造は人間と変わらないのかもしれません。一応、人間のプロトタイプだし。
 ……違うから。バルザーはエスリンが死んだときに一緒に死んでるっていう意味だから(震え声)

◇お父さんは
 ネメアが猫屋敷に帰り着いたときには、すっかり日が暮れていて、屋敷の窓から魔法ランプの明かりがこぼれていた。
 裏口からこっそり家の中に入る。表から帰るのは何となくはばかられたのだ。
「ネメア」
 気配を殺しながら自室に入ろうとしたネメアは、居間の方からかけられた声にぎくりと動きを止めた。振り返って廊下の先の居間のほうを向くと、父が立っている。
「い、今、戻りました」
 気まずさを覚えながら言うと、そうですか、と父がこちらに歩み寄ってきた。それから、ネメアの傍で膝をついて、腕を広げた。
「おいで」
 ネメアはぽかんとして立ち尽くした。父が言わんとしていることはわかるが、なぜそんなことを求められているのかはわからない。
「あの、私、河原で転んだので」
「いいから。今、ケリュネイアはお風呂ですから」
 おいで、と父はもう一度繰り返した。風呂場の方から妹の幼い歌声と、水が跳ねる音がしている。
 ネメアはおずおずと父の腕の中に身を預けた。とたんに、父がしっかりとネメアの小さな体を抱きしめてくる。雨と沢の水でまだ湿っている息子の金髪をなでながら、オルファウスは言った。
「よく無事に帰ってきましたね」
 父の言葉を聞きながら、ネメアは彼の肩口に顔を埋めた。今ではすっかり妹に占領されてしまった父のぬくもりを感じる。ネメアは父の背中に腕を回して、しっかりと縋り付いた。
 父の匂いとぬくもり、妹の幼い歌声、猫屋敷の古い木の匂い、猫たちの気配――ようやくネメアはそれらを感じることができた。父の肩口に顔を押し付けながら、ネメアは鼻の奥がつんっと痛くなるのを感じた。
 オルファウスはそんなネメアに何も尋ねようとはしなかった。ただ黙って、息子の小さな体を抱きしめている。

 
 というわけで、お父さんはネメアの小さな冒険を把握していました。バルザーが近くにいるから大丈夫だろうと思って、助けにはいかなかった感じです。まぁ、オルファウスさんにも葛藤はあったでしょうが。
 もし、バルザーがネメアを連れ去ろうとしたら、止めに来てました。

 なお、私はオルファウスさんは賢者の森で起きていることはだいたい把握できていると思っているので、ネメアが森を出て遊牧民の子供たちと遊んでいたりするのも知っています。知っていて黙って見守ってるんです。

 10歳のショタがお父さんに甘えて何が悪い! ええぞ、もっとやれ!