短編 鎧の傷 解説

 エンサイの内容に真正面からケンカを売っていく所存。

 
◇ネメアの鎧
 エンサイによれば、ネメアの鎧は「もしかしたらメガ=ディンガルの鎧かもしれない」みたいな曖昧な表記しかされていませんが、とてもロマンのある設定だと思うので、私はこの説を採用したいと思っています。
 ネメアは勇者時代、白い鎧を着用していたので、どこかのタイミングであの黒鎧に変えたと思うのですが、私の設定ではまだまともだったころのエリュマルクがメガの鎧を褒美に与えたということになっています。……これもいつか獅子の歩み編で書きたい話のひとつです。い、いつかっていつかだよ(震え声)

 冒頭のセリフはウルカーンにいるネメアファンの冒険者のつもりでした。

◇全身鎧について
 私もそんなに詳しくないので間違っているかもしれませんが、たぶん現実の全身鎧は一人で着るのは難しいんじゃないかと思います。一応、いろいろ調べたんですけど、よくわからなかった……。

 まぁ、ファンタジーですし、ネメアの鎧はかなり軽量化されているようなので(体の内側。つまり腕の内側、腿の内側など、現実では守らなければならない部分ががら空きである。いいのか?)一人でも脱ぎ着が可能ということにしています。

 一昔前まで、西洋甲冑は動きにくいというのが一般的な認識でしたが、昨今では研究が進み、中世の騎士は全身鎧を着こんだまま割と普通に動けていた、ということがわかってきました。実際に、西洋甲冑の研究を行っている人のレポートなんかを見ると、甲冑はかなり細かいパーツに分かれていて、鋲の打ち方などで遊びの部分を作り、動きを阻害しないように作られていたようです。
 転ぶとひとりで起き上がれない、などの鈍重なイメージは、馬上試合(馬に乗ってランスで突きあう試合)で使う鎧から着たイメージのようです。馬上試合では馬に乗って突進するだけなので細かい動きは必要ないですし、相手のランスに弾き飛ばされないよう(あるいは刺し貫かれないよう)に鈍重に作っていたようです。

 こういう鎧とかの資料を購入しようかとすごく迷っている……購入を検討している本に、「甲冑を着たまま泳ぐ方法」が載ってるらしいんだ……。
 アンギルダンの正しさが証明される……かもしれない。うーん、迷う。

◇朝の身支度
 ネメアさんって人に世話を焼かれるのが苦手そう。自分のペースで生きてる人だし、お父さんと妹とあんな森の奥で暮らしてたんだし「自分のことは自分でやる」ってのが徹底してそう。

 それでなくてもネメアさんって身だしなみに気を使ったことがなさそうだなー。朝の支度とか顔洗ってひげ剃って、手ぐしで髪をざってやったらもう完成しそうで怖い。
 着るものとかもたぶん適当ですよね。シャツとズボンがありゃいいみたいな。現代でいうなら上下ユニ●ロで問題ない、みたいな人。……何か、あの有名な画像(お金かけてオシャレした顔面が残念な人と、ユニ●ロ製品着たモデルの比較画像)を思い出して胸が苦しい……っ。

侍従「陛下、本日のお召し物でございますが」
ネメア「いや、どうせ座って会議するだけだからどうでもいい」
侍従「……で、では、御髪を整えて」
ネメア「女性ではないんだから、そんなことはしなくていい」

 つって、ガンガン自分の身の回りを世話する人を削減していったらいい。
 そんなネメアさんがレインに世話を焼かせているのは、できるだけレインの好きにさせたいってのもあるけど、かまってもらえるうちにかまってもらっておこうみたいな利己的な思惑があるといい。そのうち、レインはお嫁に行っちゃって、ネメアさんより旦那や子供の世話を焼かなきゃいけない立場になるから、今のうちに、みたいな。
 本編でも書きましたが、欲望とか欲求とかがまったく見えないネメアさんが娘に限ってはそういうものがダダ漏れになっていると、私は非常に楽しいです。

 レインの言うことならいくらか聞くってことを知った侍従さんが、たまにレインを介してちゃんとした格好をさせてるといいです。そういう格好をすることも、上に立つ人の仕事なんだけど、ネメアはそっち方面が全然ダメそう。

◇鎧の傷
 傷くらいつくでしょ(正論)

 エンサイには「ネメアが着るようになってから傷が増えてない」というような記述がありますが、それはどうなんだろうなーと。
 表面に特殊加工がされてて傷が目立ちにくいだけで、傷はあると思います。ネメアの戦い方というか、役割というか、そういうものを考えたときに鎧に傷がつかないとは考えづらいです。
 ネメアはAGIが高くて身軽で敵の攻撃をかいくぐりながら攻撃するタイプではないです。全ソウル中トップクラスのVITの成長率を誇るシャイニングレオと、全キャラ中トップクラスのHPの成長率を持つネメアですよ。ネメアは多少の敵の攻撃を受けてもビクともしない打たれ強さを持ったパワーファイターです。

 ネメアの役割は味方の最前列に立ち、HPの低い前衛や後衛を守りつつカウンターで敵を攻撃することです。
 シャイニングレオのテラカウンターはネメアのためにあるようなスキルです(ほとんど使ったことないけど)

 ジルオールの戦闘システムにはかばうがあります。ゲームだと、前衛がよけても後衛に攻撃が当たるってことはないけど、現実的に考えると前がよけると後ろに当たるので、かばった人間はおいそれとよけられません。
 別にネメアは一人で戦ってきたわけではないし、むしろ常に自分より(体力的に)弱い誰かと一緒に戦ってきました。お父さんしかり、妹しかり、部下しかり、そしてレインしかり。打たれ弱い誰かをかばって戦ってきたネメアさんの鎧に傷がついてないとか、そんなわけあるかい。鎧に傷がついてちゃかっこ悪いとかいうやつは前に出て歯を食いしばれ、ビンタしてやる。 

◇ネメアの傷
 同じことがネメア自身にも言えると思うんですよ。
 強いから、傷ついてないように見えるだけで、傷くらいつきますよ。人間だもの。

 ゲーム内でも結構悪口を言われたり、批判にさらされたり、嫌われたりしているネメアですが、傷ついたそぶりを見せていないだけでひょっとしたら、傷ついているかもしれない。
 傷がつかないのではなく、たとえ傷がついても自分の信じる道を突き進めるところが、ネメアの強さだと思います。

 レインはそれに気づいて、何かちょっと泣きそうになったっていう。レインがネメアの鎧の話を聞いたのはまだ駆け出しのころだったので、「鎧に傷がつかないくらい強いんだ! すごいな!」くらいにしか考えていませんでした。
 それが今、ネメアの歩いた道を知り、肩を並べて戦うようになって、鎧と同じようにネメアの心や体もどこかで傷ついたんだろうな、と気づきました。そして、そのことを誰にも悟らせずに生きてきたんだなー、と。

 ま、オルファウスさんはわかってると思いますが。もう一人、理解者が増えたってことですね。