短編 四季の人々 解説

 ザギヴ新女帝がいかにして決意を固めたか。

 
◇最後の予言
 やっぱり、何だかんだであの予言に対するザギヴの恐怖というか、しり込みしてしまう気持ちはあると思うんですよ。
 他の連中も怖いだろうし。

 ただ、この話ではネメアにウルグが宿ったにも関わらず、闇に落ちずに共存関係にあって安定しているので、ゾフォルの予言が必ずしも不幸をもたらすわけではない、というのが証明されています。

◇本当に国の未来を思ったか
ネメア「次期皇帝にはお前がふさわしいという声が強くてな」
レイン「ええー、やですよ。あんな不吉な玉座いりません」
ネメア「……不吉……」

 国土が統一してから、
ヌアド→義理の息子にクーデターを起こされる。
バロル→闇落ち。
エリュマルク→闇落ち。
ネメア→クーデターを起こした上、破壊神が宿る。
 ろくでもねぇ、皇帝しかいない。半分、闇落ちしとるやないかい。

 ネメアの例があるから、英雄とは素晴らしい人(何でも万能にできる人)だとエンシャントの連中は思っているが、レインは本当に田舎娘で政治のことがさっぱりわかってないので、皇帝なんかになったらえらいことになる。
 戦争のやり方はネメアに教わったけど、そのほかのことは教えてやってる暇がなかったので、レインは政治経済法律関係、全部駄目です。
 まぁ、帝国は官僚政治だから、多少皇帝が駄目でも成り立つんだろうけどさ。

◇四季の皇帝たち
 ネメアと皇帝の話をしたのは、19話でした。直接、「冬のような人間だ」と言ったわけではありませんが、冬型のバロルの後は継げないと考えていたので、彼は自分のことをバロルと同種の人間だと思っていました。

 でも、私はネメアは厳冬の皇帝ではないと思うんですよ。レインが言ったように、夏型の人間だと。いいも悪くも、人を活発にさせる人だと思うんです。
 いい風に取れば、勢いがあって物も人も流動する。経済も政治も激しく動く。悪い風にいえば、無駄な波風が多い。
 判断力とリーダーシップがあるから、乱世にあって、非常に頼りになる人です。
 レインもどちらかというとこのタイプ。というより、この子は追い詰められないとエンジンがかからないので、平和な時勢にリーダーシップが取れません。

 厳しさを耐え忍ぶ冬があって、穏やかに伸びる春があって、激しく動き回る夏が来て、実りの秋が来ると。季節の通りに行けば、ザギヴの後の皇帝は冬型なんですが、秋は冬に備える季節でもあるので、ザギヴがしっかり統治を行なえば、冬もやがて春になるでしょう。

 ちなみに、レインはどちらかというと夏が嫌いです。

◇獅子たちのたくらみ
レイン「……大丈夫かな」
ネメア「まぁ、考えるきっかけにはなったのではないか」
レイン「駄目だったらどうします?」
ネメア「……夜逃げするしかないな」

 英雄たちの旅立ちが夜逃げ!

 今回のことは、ネメアとレインが企んだことでした。何というか、二人にはザギヴにはその能力があるのに、あのゾフォルの予言のせいで考えが凝り固まっているように見えたんでしょう。
 きっかけさえあれば、きっと前向きに捉えてくれるだろうと。

 駄目だった場合は夜逃げでした。

◇十数年後……
 ラストの部分はレインたちがバイアシオンを去って、十数年後です。

 ザギヴはどうなっているんでしょうね。私がザギヴびいきのせいか、主人公以外と結婚しているイメージがなく、男主人公がいない場合だとずっと独身を貫いている気がしています。
 ディンガル皇室分家の孤児を養子にして、後継者にするとかね。何か、そういうイメージがあります。国家と結婚してる、みたいな。