短編 ゆりかご 解説

 今、気づいたけど、別に祝ってはなくね?

 あ、あれです。このあと、レインとネメアが帰ってきてから、誕生日パーティーするんです。

 
◇ケリュネイアの話
 ケリュネイアの誕生日は生まれた日ではなくて、拾われた日だと思うのですが、どうか。

 生まれたばかりの新生児を放置していて生き残れるのか、と思って、生後三ヶ月にしました。
 うーん、これでも結構厳しいのかな。新生児は2時間おき(?)とか、結構な頻度でミルクを飲ませると聞いたんですが、三ヶ月はどうなんだろう。

 はじめは育てるつもりだったけど、風当たりが強くなって耐え切れずに捨てたのかなー、とか、そういう妄想です。

◇クィーダロアの苦悩
 クィーダロアとして、「ハーフエルフを差別するのはやめましょう」と言ったところで、差別感情が綺麗さっぱりなくなるわけではないし、だからといって何もしないでいいわけでもない。

 オルファウスさんは若い頃、他のエルフ連中とは違って現実を見てるから、複雑な部分があるんだろうなぁと思う。

 目の前の命が救えるなら偽善でも、まぁ、その場はいいんだけども、そうやってその場その場で助けられる命なんてたかが知れているし、ましてやオルファウスさん一人でとなると、そうやって続けていくわけにもいかない。
 どこかで根絶させないといけない問題があって、でも、それに対する解決策は時間がかかるし、時間をかけている間に失われなくてもいいものが失われていってしまう。

 そういうとき、どうすべきなのかは私は答えを持ちません。

 オルファウスさんはケリュネイアを拾って育てたし、ケリュネイアもそれでいいと思っているし。
 正解はともかく、彼らはそれでいいんだろうなと思います。

◇捨てたゆりかご
 ケリュネイアはゆりかごを一時の感情で捨てたわけではなく、本当にいらないから捨てました。オルファウスさんもそれがわかっています。

 レインと違って、ケリュネイアはオルファウスさんだけがお父さんだし、お母さんなんです。

◇孫の話
≫ブフッ
 氷結魔法かな?

 ゲーム内ではどうあがいても、オルファウスさんは可愛い娘と自慢の息子のどちらも孫を見れないんですね。悲しい。
 ケリュネイアが人間の倍以上生きられると仮定して、ネメアの二世三世と出会って恋に落ちれば解決するんじゃないか、とは思う。

◇捨てた話
 赤子は、ゆりかごの中にすっかり納まって、小さな寝息を立てている。体も温めたし、清潔にもした。何より、腹も膨れた。ひとまずは安心だろう。
 ゆりかごの傍に息子が座り込んでいる。もの珍しげな表情で、眠る赤子を覗き込んでいた。
 幼子の指で、赤ん坊のふくふくとした頬を、恐るおそるつつく。赤ん坊がわずかに身じろぎしたのに驚いて、さっと手を引っ込めた。
「おぉ」
 何かに感動した様子で、息子は大きな青い瞳をキラキラさせた。自分の頬だって、大して変わりはしないだろうに。

「ねぇ、ネメア、あなた、この子のお兄ちゃんになってあげてね」
「おにいちゃんとは何ですか」

 三つの息子にはまだ少し難しいか――オルファウスは思案する。

「この子を守ってあげて欲しい。色々なことを、教えてあげてね」

 オルファウスが微笑むと、息子はぱっと笑った。自分だけの特別なものをもらったような顔をしている。

「はい、なります。おにいちゃん」

 息子の様子に笑いながら、オルファウスは赤子が眠るゆりかごを揺らす。

「名前を考えてあげないと――」

 
 と、いうような話をつけようと思っていましたが、話の軸がぶれるのでやめました。
 それでは、『自分だけの特別なもの』をもらった現在の兄を見てみましょう。

ケリュ「兄さん、父さんが孫が見たいって」
ネメア「……レインがいるだろう。森に帰れば、血のつながったのがいっぱいいる」oO(うわ、嫌な流れ)
ケリュ「赤ちゃんが見たいって! ねぇ、兄さんはまだ若いし、レインだって大きくなっちゃったし。ね?」
ネメア「よし、サメの話をしよう。シュモクザメって知ってるか」

 シュモクザメの話をしていますね。